PLUS

はさコレ|HASA-KORE

SHARE
  • LINE
SCROLL
文具はさみの日
トップページ インタビュー 発売10周年記念 スペシャル座談会<第4回>
INTERVIEW
発売10周年記念 スペシャル座談会<第4回>
「僕たちとフィットカットカーブの10年」
インタビュー
インタビュー

2022年は、はさみ「フィットカットカーブ」の発売から10年を記念するアニバーサリーイヤー。そこで、文具トークライブユニット「ブング・ジャム」のお三方に、フィットカットカーブのことについて、あれこれ語っていただくという、開発者冥利に尽きるスペシャル座談会企画しました。最終回のトークテーマでは、愛用している特殊なはさみ、また10周年だからやってほしいことについて伺いました!

特殊なはさみ、なに持ってる?

きだて
アスパラを収穫するためのはさみ(笑)
高畑
それ、収穫するのにちょうどいい目安(高さ)のしるしがついているんだよね?
きだて
うん。農業用はさみについては、いろいろ調べたな。りんご収穫するときに、りんごの酸で刃がやられないはさみとかね。あと、使用頻度が高いのは、梱包用のプチプチを切る専用のはさみ。記事の資料として借りたボールペン1本をプチプチに包んで、返送したりするから。プチプチを小さく切り出すはさみのニーズ、ここにあります(笑)。
開発者
シュレッダーなどの分別用はさみは使われていますか?
高畑
あれはメーカー勤務当時、僕も作ったんですよ(笑)。はさみの担当をやっている時期があって、アジアのはさみ工場に行くのに、はさみが40丁くらい入っているかばんを手荷物検査で見られたりしてた(笑)。
きだて
事情を知らない人から見たら、一種のシリアルキラーだよね(笑)
高畑
欲しいはさみでいうと、ハンドルに磁石を埋め込んでもらって、冷蔵庫とか玄関ドアに貼っておきたいとは思う。
他故
それはすごいある。
高畑
他社さんだけど、段ボール開梱用のカッターに、マグネット付きが出てるよね。フィットカットカーブも磁石入りにすると、手押しの台車につけるとか、ロッカーにつけるとかできて便利そう。
きだて
他故さんの家のはさみも行方不明にならないね。
他故
「ここに戻せ」はダメだけど、「ここに貼れ」だったらいけそうな気がする(笑)。
きだて
家庭内って、はさみが行方不明になりやすいんだ。引き出しに寝かせて仕舞うと、埋もれやすいし。例えば目線の高さに磁石で貼っておけると、紛失の確率はだいぶ減ると思う。
高畑
本体に磁石を埋めなくても、はさみの輪郭のゴム磁石を作ってくれれば、そこに戻せる。はさみの基地みたいな。俺、そうやって置く場所を決めたりするから。
他故
一緒に鉄板も売ったらいいかも(笑)。
高畑
すごくいいおうちは、ガラスの冷蔵庫とかアルミの玄関だったりするから磁石がつかないもんね。
きだて
刃物なだけに落ちる危険性があるから、作る側としては怖いんでしょうけど。
他故
はさみスタンドを作って、引き抜いて使うとかどうですか?
高畑
他故さんは立てる収納が好きだよね(笑)。スタンド型のはさみもなくはないもんね。はさみは本当にどこででも使うから、どう収納できるかも大事。携帯用も含めね。

「フィットカットカーブ発売10周年」だからやってほしいこと

きだて
発売10周年にかけて、10倍切れるとか、10万円のフィットカットカーブとかいいんじゃない?
高畑
確かにそういうハイエンド・フラッグシップは、10周年という大義名分があれば許されそう。フィットカットカーブの最高峰のかたちを、100丁でも1000丁でも作って売ってみるとか。もし売れなかったとしても、これは元々、売るためではなく記念に作ったものだからと逃げられる。しかも、案外、それがちゃんと残ったりして、後にも先にもそのタイミングでしか実現しない、世界最高のはさみが出来ちゃうかもしれない。
開発者
頑張ります(笑)。新製品はまた別で企画が進んでいるので。
他故
フィットカットカーブ10周年のあれがあったから、今これが作れるみたいな、後世のはさみのターニングポイントになるかもしれない!期待しちゃうな。

次の10年に向けてのコメント

高畑正幸 さん
高畑正幸 さん
フィットカットカーブがもたらした最大の功績は、刃の形をほんの少し工夫することで、廉価な雑用はさみの切れ味、切り心地を向上させたことにあると思います。決して高級品ではない。誰もが日常的に使う、ごく普通の見た目の雑用はさみの使用感を、廉価のまま向上させたことにあります。ユーザーにとって特別でないことが何よりも素晴らしいポイントです。その意味でフィットカットカーブのイノベーションは、最初のスタンダードモデルでほぼ完成しており、今後10年に出てくる製品はすべてその展開に過ぎないと私は思います。フィットカットカーブにとって次の10年は、スタンダードモデルを丁寧に磨き続けて、このままじわじわと販売を伸ばし、普及・浸透していけばよいとおもいます。フィットカットカーブのスタンダードモデルが「フィットカットカーブ」ではなく、きもちよく切れる普通のはさみとして、多くの人から普通に選択されること。みんながイメージする普通のはさみになること。それが今後10年で実現すべき状況だとおもいます。それはとても地味ですが、なかなか達成できないとても高い目標だと思います。100年後に振り返ったとき、はさみの歴史に残る最高の普通を目指して欲しいと思います。
きだてたく さん
きだてたく さん
同期として10年いっしょに文具業界で頑張ってきた仲のフィットカットカーブ。これからの10年も、はさみの大定番としてど真ん中に居てくれると心強いです。あと、はさみの新製品をチェックするときは「フィットカットカーブと比べてどれぐらい切れるか?」が評価軸のひとつなので、今後も変わらずよく切れ続けてください。
他故壁氏 さん
他故壁氏 さん
フィットカットカーブ10周年おめでとうございます。はさみはまさしくピンからキリまである幅の広い文房具ですし、文房具ジャンルでないはさみもたくさんある群雄割拠の世界です。その中で、手頃な価格で安心してしっかり切ることのできるフィットカットカーブは、日本のスタンダードな文具はさみとして市場に認知されたと思います。これからも切りたいひとに安心を届ける、そんなブランドでいてください。

ブング・ジャムの皆様、ありがとうございました!