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開発のはなし

開発者インタビュー

つくりたかったのは、
文具の先にあるワクワクする世界。

深澤直人さんのデザインとプラスの技術が融合して生まれたチームデミ。
その開発に秘められたこだわりを聞きました。

team-demi(チームデミ)開発メンバー

R&D本部 塚本 淳
製品クリエイティブ本部 久保田 創・今井 哲也

モノがあふれる今だからこそ、ワクワクを提供したい。

1984年チームデミには、どんな印象がありましたか?

塚本: 発売当時はまだ小学生でしたが、とにかく話題の商品でしたね。持っているだけで自慢できるくらいカッコよかった。

久保田: 1983年生まれの私は、存在さえ知りませんでした(笑)。当時の記事から衝撃的なプロダクトだったということを知りました。

今井: 実は、開発メンバーのほとんどが当時のことを知らないんです。84年チームデミへの思い入れや愛着がないぶん、なぜいまチームデミなのか、その存在意義をハッキリさせたいという想いが最初にありました。ずいぶん、みんなとブレストを重ねましたね。

デジタル製品をはじめ、便利なものはたくさんありますしね。

今井: 確かに世の中は便利なものがあふれています。でも、文具は便利なだけじゃなく、人をワクワクさせるものだと気がついたんです。84年チームデミにはワクワクが詰まっていた。それを現代に復活させることを目標にプロジェクトが進みました。

久保田: 実用面はもちろん大切ですが、それ以上に、持っていることのうれしさや、使う時の高揚感。その点にとことんこだわりました。

デザインを実現するために、金型からこだわる。

新しいチームデミでめざしたものは?

塚本 : 深澤さんのデザインの力を借りながら、プラスの技術を惜しみなく注入して、文具のその先の世界をつくること。プラスの最高傑作として、代々語り継がれるプロダクトをめざしました。

今井: 深澤さんからご提案いただいたイメージは、現代の品質で仕立て直す精緻で美しいものでした。そこにチームデミが持つ可愛がりたくなる要素を盛り込むことに深澤さんにもご賛同いただき、クールすぎない、精緻だけど隙があるものをめざしました。ロゴマークのデザインにもその想いが表れるよう深澤さんにデザインしてもらいました。

久保田: 凝縮感はあるけど、ギュウギュウ詰めじゃなく余白がある。シンプルだけど親しみが持てる。36年分の進化を、そんなところにも表現できたらいいなと思いました。

深澤直人さんの意向はかなり反映されているのですか?

塚本: 深澤さんのデザインをどうすれば、再現できるのか。チャレンジの連続でしたね。たとえば、「ケースから突起物をなくしたい。ヒンジを磁石でできないか」というアイデアを出されて、そんなのどうやるんだと(笑)。

今井: 難題ではあったのですが、何度も試行錯誤を繰り返すうちに、「できるぞ」と糸口がつかめてきました。

塚本: 道具の固定にも苦労しました。吸い込まれるように収納される感覚を実現するには、磁石をどんなふうにレイアウトすればいいのか。とにかく試作品をつくりました。

突起がないだけでなく、すごくなめらかで美しいケースですよね。

塚本: 鏡面フラット仕上げにこだわりました。成型部品でここまでフラットにするのは、珍しいと思います。角のRにもこだわりがあって、曲率連続Rという特別なRを採用しています。美しくナチュラルなカーブを描くのですが、三次元での再現が非常に難しい。金型メーカーもよくついてきてくれたと思います。ここまで普通はやりませんから。わずかでも歪みがあるとやり直し。金型が鏡みたいになるまで磨いてもらって。「こんなにピカピカに磨いていいんですか?」と心配されるくらい(笑)。

team-demi(チームデミ)開発メンバー

中に収めた道具にもこだわりが?

塚本: すべてを同じテイストにするために、道具のほとんどを自社工場で生産しています。削り出したようなニュアンスを樹脂で再現するなど、金型づくりから仕上げまで、一切妥協していません。深澤さんのデザインを量産化にこぎつけることで、工場のレベルが1段階上がったと思っています。

久保田: たかが文具なのに、ここまで?と呆れられるくらいのことはやっていますね。

今井: これからの時代、中途半端なものは生き残れませんから。圧倒的なものじゃないと、ワクワクという価値を提供するのは難しいと思います。

人々をインスパイアする存在に育ってほしい。

今後、どんな存在になってほしいと思いますか?

塚本: チームデミは、プラスがめざす「ユニーク」を体現するプロダクトだと思います。デザインといえばプラスだ、と言ってもらえる存在になってもらえれば。

久保田: 84年チームデミがそうだったように、後にプラスのターニングポイントになったと言われるようになるとうれしいです。デザインのお手本になったり、いろんな人をインスパイアするような存在になってほしいですね。

今井: たくさんのこだわりが詰まった、プラスのフラッグシップです。ぜひ、文具が好きな人や、道具にこだわりのある人に愛用していただきたいと思います。

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